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KDDIの最新決算|業績や事業戦略・今後の予測まで徹底解説

KDDIの最新決算|業績や事業戦略・今後の予測まで徹底解説

IT業界の就職・転職活動をする上で、KDDIの現在の業績・今後の方向性が気になる方も多いのではないでしょうか?

本記事を読むことで、

  • KDDIの企業理解が深まる
  • KDDIの面接を受ける際の参考になる

といったメリットがあります。

そこで、今回はKDDIの業績や各サービスの戦略解説・今後の将来性まで、企業理解を深めるために必要な情報を紹介します。

ITに詳しくない方でも理解できるよう、なるべく専門的な用語を使わずに解説します。

KDDIの業績

まず、KDDIの業績を簡単に解説します。

引用:KDDI2022年3月期決算資料

上の図によると、すべての事業を合わせた売上高・営業利益はともに増加しており、順調に業績を拡大しています

業績の拡大要因は、以下2点です。

①携帯通信料の収入増加

②ライフデザイン事業・法人向けDX事業の成長(各事業内容は後ほど解説)

引用:KDDI2022年3月期決算資料 

まず①について、政府の意向により通信料金が安くなっているため、通常は通信事業の収入が減少します。

しかし、KDDIの場合はサブブランド「UQ モバイル」の料金プランを拡充したり、オンラインだけでなくau全店舗での申し込みを可能にしたことで、より幅広いユーザーを獲得しました。その結果、通信事業の収入は増加しています。

引用:KDDI2022年3月期決算資料

②について、ライフデザイン事業は「au PAY」「au スマートパスプレミアム」「auでんき」の会員数増加により成長しました。

引用:KDDI2022年3月期決算資料

また法人向けDX事業(簡単にいうと法人のDXを多角的にサポートする事業)では、コロナ禍によりDXの需要が増えたため成長しました。

DX:「Digital Transformation」の略。英語圏の国では「Trans」を「X」と表記することが一般的であるため、略称は「DT」ではなく「DX」になります。DXの定義は、AIや6Gなどのデジタル技術を活用し、製品・サービスやビジネスモデルを変革させることです。よく「IT化(デジタル技術を活用した業務効率化のこと)」と混同されがちですが、DXとIT化は目的が異なります。DXの目的は製品・サービスやビジネスモデルを変革させることですが、IT化の目的はあくまで業務の効率化です。

まとめると、通信事業に代わる新たな柱であるライフデザイン事業・法人向けDX事業は順調に成長しており、業績は好調といえるでしょう。

企業の概要

  • KDDI株式会社
  • 社員数:47,320人
  • 1984年設立
  • 企業理念:全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、お客さまの期待を超える感動をお届けすることにより、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献します
  • 目指す姿:お客さまに一番身近に感じてもらえる会社・ワクワクを提案し続ける会社・社会の持続的な成長に貢献する会社

KDDIの特徴は、固定通信・移動体通信・グローバル通信の3つをすべて手がけている国内唯一の通信会社であり、3つの通信を1社で扱える総合力にあります。

KDDIの事業領域

KDDIの事業領域は、主に「パーソナルセグメント」と「ビジネスセグメント」の2つです。

それぞれの事業領域について、詳しく見ていきましょう。

事業領域①パーソナルセグメント

パーソナルセグメントは、KDDIの総売上の約86%を占める主要領域です。

そして、「通信事業」と「ライフデザイン事業」の2つの事業から構成されています。

まず「通信事業」では、スマートフォンなどの携帯端末や「auひかり」などの固定通信サービスを提供しています。これらは個人向けに提供しているため、みなさんが最もイメージしやすい事業でしょう。

次に「ライフデザイン事業」では、「通信事業」で獲得した顧客基盤を活用して、金融・エネルギー・教育・エンタメなど日常生活をより豊かにするサービス(ライフデザイン事業)を提供しています。

現在KDDIはライフデザイン事業に力を入れていますが、理由は日本の人口減少や政府の意向による携帯料金の引き下げにより通信事業の収入増が期待できないためです。

「ライフデザイン事業」の具体的なサービスは多岐にわたるため、一例を紹介します。

  • 決済プラットフォーム「au WALLET」「auかんたん決済」
  • 電気事業「auでんき」
  • 外出先でも自宅の状況確認や家族とのコミュニケーションを実現するIoTサービス「au HOME」
  • エンターテインメントサービス「auスマートパス プレミアム」
  • 教育×5G「英会話のAEON」:au (KDDI) の持つICTやデータ解析技術を生かし、学習効率の最大化・英語を快適に学習できる場の実現をサポート

また、海外ではミャンマーやモンゴルなどのアジア地域を中心に、通信インフラの普及活動にも積極的に取り組んでいます

事業内容②ビジネスセグメント

ビジネスセグメントでは、法人向けにスマートフォンなどの端末やネットワーク・クラウドサービスなどの多様なソリューションを提供し、法人のDXを多角的に支援しています。

ビジネスセグメントにはさまざまな事業がありますが、代表的な取り組みとして、顧客企業の海外進出を支援する「IoT世界基盤」というプラットフォームサービスがあります。

通常、日本で利用している※IoTサービスを海外でも使用する場合は、現地の通信キャリアとの契約や法規制のクリアといった複雑な作業が必要です。

IoT:あらゆるモノがインターネットにつながる状態・技術のこと。IoTの活用により、離れた場所からモノ(家電や自動車など)の状態を細かく管理できたり、モノの制御ができるようになったりします。

しかし、「IoT世界基盤」の活用により前述した煩雑な作業がなくなり、海外でも簡単にIoTサービスを利用できます。

日本だけでなく海外にも事業展開しなければ生き残りが難しい時代であるため、「IoT世界基盤」の需要は今後さらに拡大するでしょう。

また、新型コロナウイルスの拡大により「DXを通じて新たな事業を創出したい」というニーズが拡大しているため、法人のDXを多角的に支援するビジネスセグメントは今後も成長が期待できます

各事業の戦略解説

パーソナルセグメントの戦略

パーソナルセグメントでは、ライフデザイン事業を今後さらに強化し、通信事業に代わる新たな収益の柱にしたいと考えています

補足すると通信事業以外の事業を伸ばしたいという方針は、NTTドコモ・ソフトバンクの他社も同様です。

具体的に強化するサービスは、

①スマートフォン決済サービス「au PAY」:ライフデザイン事業の中心的存在

②5Gを活用したエンターテインメントなどが楽しめる「auスマートパスプレミアム」

③電気事業「auでんき」

の3つを中心にサービスの魅力度を向上させます。

例えば、「au PAY」であれば、支払いで使うバーコードを表示するまでの時間をかなり細かい秒数単位で短くしようと取り組んでいます。

そもそもKDDIがライフデザイン事業に注力するのは、前述したように通信事業の成長が見込めない厳しい状況のほかに、通信事業の解約率を減少させる狙いもあります

KDDIが調査した結果、auの通信サービスとライフデザインサービス(auスマートパスプレミアム・auでんきなど)をセットで契約している顧客は、通信サービス単体で契約している顧客よりも、解約率が減少することが明らかになりました。

引用:KDDIの公式HP・投資家情報(IR)

ビジネスセグメントの戦略

ビジネスセグメントでは、今後の成長をリードする事業を「NEXTコア事業 (DX)」と定義し、法人のDXを多角的にサポートすることで業績拡大を目指しています

法人のDXをサポートする商材はさまざまですが、KDDIは「IoT(モノのインターネット)」を得意としています

そのため、IoTを活用した法人のDX推進を武器にしつつ、※AIや※クラウドサービスなど他の商材の提案も的確に進めていけるかが今後のビジネスセグメントの命運を分けるでしょう。

AI:「Artificial Intelligence」の略称で、日本語では「人工知能」と訳されます。つまり「知能(人間の考える・認識する・学ぶなどの機能)を持ったコンピューターシステムを指します。機械学習などのAI技術により、自動翻訳や自動運転などが実現しています。

クラウドサービス:従来は利用者が手元のパソコンで利用していたデータやソフトウェアを、ネットワーク経由でサービスとして利用者に提供するもの。具体的にいうと、これまでは文書や表の作成、メールを送受信するためにはWord・Excelなどのソフトをパソコンにインストールする必要がありました。しかしクラウドサービスを使えば、ソフトをパソコンにインストールせずに文書や表作成などの作業・メールの送受信などができます。クラウドサービスの例:Gmail(パソコンにソフトをインストールしなくても、Googleアカウントさえあれば利用可能なメールサービス)

また、KDDIは法人DX事業の業績を拡大させるために、DX人財の積極的な育成も予定しています。

KDDIが2021年10月に発表した資料によると、社内外でDX を推進する「DX人財」を2023年度までにグループ全体で約4,000名に拡大し、DX人財の中でも中心的な人財はKDDI DX University(社内人財育成機関)で約1年間の研修を経て、2023年度までに500名規模を育成することを明らかにしています。

このニュースから、KDDIの法人DX事業に対する本気度がわかります。

KDDIの強み

ここまでKDDIの業績や各事業の戦略を紹介しましたが、「KDDIの強みは何?」と疑問に思う方もいるかと思います。

そこで、KDDIの強みを2つ紹介します。

強み①ライフデザイン事業|auでんき

KDDIは、金融・電気・エンタメなど、通信事業のほかに幅広くサービスを提供しています。

その中でも、競合他社と比べた強みは「電気サービス」です。

2016年の電力自由化によりサービスを開始した「auでんき」は、2022年時点で契約数324万と通信業界の中でトップです。

一方ソフトバンクの電気サービス契約数は2021年時点で188万、NTTドコモは2022年3月1日から個人向けの電力サービス「ドコモでんき」の提供スタートとなっています。

強み②海外展開力の強さ

KDDIの特徴として、海外展開力の強さが挙げられます。

海外進出は現地の商習慣(法規制のクリアなど)に合わせることが難しいため競合他社が苦戦する中、KDDIは現地企業との連携により海外拠点数を増やしています

具体的には、アジア地域を中心に62都市100拠点以上(2021年時点)まで拡大しています。

一方、NTTドコモは海外主要8カ国18拠点ソフトバンクは海外主要8ヵ国18拠点にとどまっています。

アジア地域の中でもミャンマー・モンゴルなどの新興国への通信インフラ整備に注力してきましたが、現在ミャンマーでは軍政権によりデータ通信が遮断されている状況です。

しかし、KDDIは2021年9月に発表した「ミャンマーにおける通信事業への取り組みについて」の中で、「ミャンマーの人々の生活や経済活動に不可欠な通信サービスを支援することは、人権尊重の観点でもプラスの影響があると信じています。そのため、他の通信事業者とも連携しつつインターネットの全面回復に向けて活動しています」としています。

この発表から、KDDIはミャンマーなどの新興国での通信事業に熱い想いがあることがわかります。

KDDIの最新ニュース

KDDIはヤマト運輸と連携し、デジタルキー(スマートフォンをクルマの鍵にするシステム)の活用により、荷物を車のトランクへ配達する実証実験を2022年2月から同年4月末まで実施予定です。

この実証実験は国内で初めてとなります。

実験の目的は、EC市場の成長やコロナ禍による荷物の受け取り方法の多様化に対応し、利便性を向上させるためです。また、ヤマト運輸も受け取り方法の拡大により、再配達のコストを削減できるというメリットがあります。

このニュースから分かることは主に2点あります。

まず1つ目は、KDDI単独でのサービス提供にこだわらず、時には他社と協力しながら人々の日常生活をより豊かにする取り組みを実施しています。

2つ目は、ユーザーのニーズの変化をすばやく察知し、行動に移す姿勢であることも読み取れます。

参考:KDDIニュースリリース(2022年2月1日)

今後の予測

政府の意向により通信料金はどんどん安くなっているため、ライフデザイン事業・法人向けDX事業の業績拡大を目指すことになるでしょう。

ただし、NTTドコモなどの競合他社も同じ方針のため、KDDIの得意領域である「IoT」を生かし他社との差別化を図る必要があります。

最後に、KDDIがどのような人材を求めているのかについて主観ではありますが予測します。

KDDIはライフデザイン事業・法人向けDX事業に力を入れていると解説しましたが、それを考慮すると

  • 転職者:「通信×〇〇(例えば金融)」に興味がある方、法人営業経験のある方、新興国でのインフラ構築に関心がある方
  • 就活生:「通信×〇〇(例えば金融)」に興味がある方、IoTやDXに関心がある方、新興国でのインフラ構築に関心がある方

が求められるでしょう。

また、前述したようにKDDIはDX人財を積極的に育成する方針であるため、DXに関する知識がある方や自社・他社のDXを推進した経験がある方も重宝されるでしょう。

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