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ソフトバンクの最新決算|業績や事業戦略・今後の予測まで徹底解説

ソフトバンクの最新決算|業績や事業戦略・今後の予測まで徹底解説

IT業界の就職・転職活動をする上で、ソフトバンクの現在の業績・今後の方向性が気になる方も多いのではないでしょうか?

本記事を読むことで、

  • ソフトバンクの企業理解が深まる
  • ソフトバンクの面接を受ける際の参考になる

といったメリットがあります。

そこで、今回はソフトバンクの業績や各サービスの戦略解説・今後の将来性まで、企業理解を深めるために必要な情報を紹介します。

ITに詳しくない方でも理解できるよう、なるべく専門的な用語を使わずに解説します。

ソフトバンクの業績

まず、ソフトバンクの業績を簡単に解説します。

引用:ソフトバンク2021年3月期決算資料 

ソフトバンクのすべての事業を合わせた売上高は増加しており、順調に業績を拡大しています。

しかし全体の営業利益は3%減っています。これは携帯の通信料の収入減少によるものですが、対して法人事業とヤフー・LINE事業は営業利益が増加しており順調です。

企業の概要

  • ソフトバンク株式会社
  • 社員数:18,173人(単体)/47,313人(グループ全体)
  • 1986年設立
  • 企業理念:情報革命で人々を幸せに
  • ビジョン:「世界に最も必要とされる会社」を目指して
  • 特徴:通信会社という領域を超え、日本全体のデジタル化を目標にしている

ソフトバンクグループの構造

引用:ソフトバンク公式

上図の通り、今回紹介するソフトバンク株式会社の親会社は、戦略的持株会社であるソフトバンクグループ株式会社です。

注意点は、ソフトバンクの事業を動かしているのはソフトバンク株式会社であり、ソフトバンクグループ株式会社は投資専門の会社です。

そして、ソフトバンクグループの中には総合情報サイト「Yahoo!」・「LINE」・「PayPay」などのグループ会社があります。つまり、消費者との接点が圧倒的に多いことが特徴です。

ユーザー数はソフトバンクの携帯電話サービスの約3800万、「Yahoo! JAPAN」の約8000万、「PayPay」の約4000万、「LINE」の約8800万に上ります。

ソフトバンクの事業内容

ソフトバンクの主な事業内容は3つです。それぞれ解説します。

事業①コンシューマ事業

コンシューマ事業は、売上の約50%を占めるメイン事業です。

コンシューマ事業では、スマートフォンなどの携帯端末や「ソフトバンクひかり」などの固定通信サービスを提供しています。

競合のNTTドコモやKDDIと同様、政府の意向による携帯料金の引き下げなどによりコンシューマ事業の収益増はあまり期待できない状況です。

そのため、ソフトバンクは後ほど紹介する法人事業に力を入れています

事業②法人事業

法人事業では、簡単にいうと法人のDX推進をサポートしています。

具体的には、企業・自治体などに対して、モバイルや固定電話などの通信サービスのほか、クラウド・セキュリティ・IoTやLINE・PayPayなどの多様なソリューションを提案します。

LINE・PayPayなどのサービスはユーザー数が多いため、「一般ユーザーにアプリなどのオンライン上で自社サービスを使ってほしいけれど、一般ユーザーへの届け方がわからない」と考える企業・自治体にとっては魅力的です。

DX:「Digital Transformation」の略で、AIや6Gなどのデジタル技術を活用し、製品・サービスやビジネスモデルを変革させること。

クラウドサービス:インターネット経由で提供されるサービス全般のこと。GmailやSlackなど多くのツールが該当します。従来は手元のパソコンでしかソフトウェアを利用できませんでしたが、クラウドサービスの登場により場所・時間・デバイスを問わず利用できるようになりました。

IoT:あらゆるモノがインターネットにつながる状態・技術のこと。IoTの活用により、離れた場所からモノ(家電や自動車など)の状態を細かく管理できたり、モノの制御ができるようになったりします。

事業③ヤフー・LINE事業

ヤフー・LINE事業では、メディア・コマース・決済金融を中心としたサービスを展開しています。

具体的な内容は以下の通りです。

  • メディア領域:インターネット上や「LINE」での広告関連サービス
  • コマース領域:「Yahoo!ショッピング」「PayPayモール」「ZOZOTOWN」などのeコマースサービス、「ヤフオク!」などのリユースサービス
  • 戦略領域:メディア・コマースに次ぐ新たな収益の柱となるよう取り組んでいるフィンテックを中心とした決済・金融サービスなどの提供

各事業の戦略解説

①コンシューマ事業の戦略

2021年の統合報告書によると、コンシューマ事業では「携帯通信料以外の収益を拡大していく」と宮川社長は話しています。

なぜなら、携帯料金の値下げにより携帯通信料の収入増加はあまり期待できないためです。

具体的には、ブロードバンドサービス「SoftBank光」、端末補償・セキュリティといったオプションサービスの提供を拡大し、携帯通信料の収益減をカバーする戦略になります。

②法人事業の戦略

法人事業では、最先端のデジタル技術を活用したさまざまな社会課題(超高齢化・労働人口減少など)の解決に注力する方針です。

そして、法人事業を現在のコンシューマー事業に続く第2の柱へと成長させ、「日本をDX先進国にする」未来を描いています

ポイントは、ソフトバンク単独で進めるのではなく、さまざまな企業と連携して日本全体のDXを進めようとしていることです。

具体的には、以下4つの領域でDXを進めます。

①ヘルスケア領域

②水インフラ領域

③物流領域

④スマートシティ×DX

①ヘルスケア領域では、医師と患者の課題をDXで解決します。例えば、オンライン診療サービス・オンライン服薬指導サービスなどです。

②水インフラ領域では、「水道管の老朽化」といった日本の課題や「水不足・衛生環境」といった世界での課題を、デジタル技術を活用して解決します。実際、水処理において優れた技術をもつWOTA株式会社と協力し、課題解決に取り組んでいます。

③について、ドライバー不足やECの急拡大による荷物量の急増でさまざまな課題を抱える物流業界を、テクノロジーの力で解決します。

④について、ビル内で働く人・商業施設を利用する人など利用者全員にとって住みやすい・

働きやすい街の実現を進めます。

実際、人流統計サービス「全国うごき統計」をリリースし、人の移動に関するデータを可視化することで渋滞対策や防災計画・観光地の活性化などを支援しています。

ここまで読むと、「ソフトバンクは海外展開をそこまで重視していない」と思う方もいるかもしれません。しかし、ソフトバンクは日本で培ったDXの成功ノウハウを海外でも展開したいと考えています

日本が現在抱えている超高齢化などの問題は、いずれ世界各国も直面する課題であるためです。

③ヤフー・LINE事業の戦略

ヤフー・LINE事業では、フィンテックをメディア・コマースに次ぐ規模に拡大する方針です。

※フィンテック:金融サービスにITを活用した分野。身近なフィンテックのサービス例は、PayPayなどのキャッシュレス決済サービス。

実際、ソフトバンクは銀行・フィンテックのサービス開発を手助けするインド発スタートアップ「Zeta」や韓国発AIフィンテックスタートアップ「クラフトテクノロジーズ」など、

フィンテック分野の企業に積極的に投資しています。

ソフトバンクのフィンテック領域のサービスで代表的なものはスマホ決済サービス「PayPay」ですが、その他にも積極的に展開しています。

例えば、アプリを使った株式取引「PayPay証券」があります。

今後具体的にどのような金融サービスが出るのかはわかりませんが、フィンテック分野のサービス開発に注力することは間違いないでしょう。

ソフトバンクの強み・弱み

ここまでソフトバンクの最新業績や各事業の戦略を紹介しましたが、「結局ソフトバンクの強みと弱みは何?」と疑問に思う方もいるかと思います。

そこで、ソフトバンクの強み・弱みを2つずつ紹介します。

強み①圧倒的な顧客接点の多さ

ソフトバンクの強み1つ目は、圧倒的な顧客接点の多さです。

前述したように、ソフトバンクのグループ会社には「Yahoo!」・「LINE」・「PayPay」があるためです。

では、ソフトバンクは圧倒的な消費者との接点の多さをどの分野で生かそうとしているのでしょうか。

結論からいうと、法人事業において多くの人へサービスを届けたい企業・自治体と、使い慣れたアプリでサービスを受けたい個人ユーザーの双方を結ぶサービス展開で生かそうとしています

例えば、ヤマト運輸のLINE活用事例やセブンイレブンアプリへのPayPay機能導入があります。

強み②新規事業

ソフトバンクは、強み①で述べた個人ユーザーとの接点の多さと大企業の95%と取引がある法人顧客との強固な基盤を生かし、次々と新規事業をリリースしています。

個人・法人の顧客数と接点が多ければ、新規事業立ち上げ初期から広範囲の消費者・企業にアプローチできるため、新規事業を積極的にリリースできるのです。

例えば、ヤフー・LINE事業の戦略で紹介したフィンテックなどがあります。

収益増があまり期待できない通信事業に頼らない事業展開を積極的に実施している点は強みといえるでしょう。

弱み①携帯シェア率

ソフトバンクの携帯シェア率は、NTTドコモ(36.9%)・KDDI(27.4%)に次いで第3位(21.4%)と出遅れています(参考:総務省 電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表

しかし、今後通信事業の収益増はあまり期待できないため、通信以外の事業(法人事業など)をどれだけ成長させられるかが重要になるでしょう。

弱み②自己資本比率の低さ

ソフトバンクは、自己資本比率の低さが課題点です。

※自己資本比率:企業の安定性を測る指標。自己資本比率が高いほど経営が安定している。

NTTドコモの自己資本比率は72.1%、KDDIの自己資本比率45.2%に対し、ソフトバンクは22.1%(2021年12月末時点)と競合他社よりも圧倒的に低い数値です。

ではなぜ自己資本比率が低いのでしょうか。

ソフトバンクは資金のほとんどを銀行からの借入金などに頼り、調達した資金は海外企業の買収・投資や事業拡大に使っているためです。

ソフトバンクの挑戦的な社風は魅力的ですが、自己資本比率が低い点は不安要素です。

ソフトバンクの最新ニュース

ソフトバンクは、2022年2月14日に市原市と「デジタル化の推進に関する連携協定」を締結しました。

この協定の目的は、デジタル技術を使いこなせる人とそうでない人の格差をなくし、すべての人がデジタル化による利便性向上のメリットを受けられるようにすることです。

ちなみにソフトバンクと市原市は、これまでデジタル活用に不安がある高齢者などを中心に、スマートフォンの使い方を支援する取組みを実施してきました。

この協定で連携を強化することにより、スマートフォン講座など高齢者向けのイベント実施回数を増やし、若者とのデジタル格差解消につなげるとしています。

このニュースから、ソフトバンクは本気で日本全体にDXを広げようとしていることがわかります。

参考:ソフトバンクプレスリリース 

今後の予測

政府の意向により通信料金はどんどん安くなっているため、ソフトバンクは今後①法人事業②フィンテックサービスの拡大に注力するでしょう。

特に法人事業に関しては、企業・自治体に提案できる商材が幅広い点(クラウド・IoTなどからLINE・PayPayまで)は優位に働くと予想します。

LINE・PayPayなどのサービスはユーザー数が多いため、「一般ユーザーにアプリなどのオンライン上で自社サービスを使ってほしいけれど、一般ユーザーへの届け方がわからない」と考える企業・自治体にとっては魅力的です。

最後に、ソフトバンクがどのような人材を求めているのかについて主観ではありますが予測

します。

  • 転職者:法人営業経験がある方、日本の社会課題をテクノロジーでどう変えたいか自分なりの考えがある方、IoTなどの最先端テクノロジーに関心がある方
  • 就活生:法人営業に関心がある方、IoTなどの最先端テクノロジーに関心がある方

法人営業経験がある人が重視されると考える理由は、2021年の統合報告書で「伸び盛りの法人事業は顧客企業からの問い合わせが毎日のようにあるため、顧客の期待に応えきれるだけの営業・エンジニアなどの人材を確保できるかが課題」と宮川社長が述べているためです。

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