給料や待遇などではなく、やりがいや環境で企業と求職者をマッチングするビジネスSNS「Wantedly」で有名なWantedly株式会社に興味がある方も多いのではないでしょうか?
本記事を読むことで、
- Wantedly株式会社の本選考を受けるにあたり、知っておくべき基本情報をまとめてインプットできる
といったメリットがあります。
そこで今回は、Wantedlyのビジネスモデル・事業内容などの基本的な情報をわかりやすく紹介します。
Wantedly株式会社とは?
Wantedly株式会社は「シゴトでココロオドルひとをふやす」ことを目的に、ビジネスSNS「Wantedly」などを提供している会社です。
以下でミッション・バリューを紹介します。
ミッション・バリュー
ミッション:シゴトでココロオドルひとをふやす
Wantedlyは、従来のような給与・待遇条件による採用ではなく、「(会社のカルチャーなどへの)共感」採用の実現により、求職者・企業双方のミスマッチをなくしたいと考えています。
また、「はたらくすべての人のインフラ」を日本だけではなく世界にも作りたいと思い、現在シンガポール・香港でもサービスを展開しています。
バリュー(迷った時の軸となる、3つの行動指針)
バリュー①Focus on Users
WantedlyのUser Firstは「ユーザーの声をすべて丁寧に聞くこと」ではなく、「ユーザーに使ってもらえるプロダクトを作ること」を指します。
ユーザーの声をすべてプロダクトに反映させたとしても、使ってもらえなければ意味がありません。そのため、Wantedlyはユーザーの声ではなく、「ユーザーの本質的な欲求」を満たすプロダクトを作ることが真のUser Firstであると考えています。
バリュー②Code wins arguments
このバリューは、仮説を証明するために何時間も議論するのではなく、実際にプロダクトを作りユーザーの反応を確かめてみようという姿勢のことです。つまり、「悩むよりもどんどん行動する姿勢」を大切にしています。
バリュー③Do more with less
機能をあれこれ追加する「足し算」ではなく、機能を極限までそぎ落とす「引き算」が大切であるとWantedlyは考えています。
なぜなら、機能が複雑なプロダクトよりもシンプルに使えるものの方が継続して利用してもらえるためです。
Wantedlyの事業内容とビジネスモデル
Wantedlyの採用選考に応募する前に、基本的な情報である事業内容とビジネスモデルの把握は重要です。
そこで、Wantedlyの事業内容4つと、ビジネスモデルを簡単に紹介します。補足ですが、Wantedlyの事業内容は個人向けと法人向けの2種類あります。
①Wantedly Visit|個人向け
「Wantedly Visit」は個人向け(※法人向けは後ほど紹介)のサービスです。
求職者目線からの、一般的な採用媒体(リクナビなど)との違いは主に2点あります。
まず1点目について、Wantedly Visitは一般的な採用媒体(リクナビなど)とは異なり、最初
から選考スタートではなくカジュアルに話を聞けます。そのため、さまざまな企業と出会い、自分とマッチする企業をじっくり見極めることが可能です。
2点目ですが、Wantedly Visitでは給与・待遇条件の記載は禁止されているため、企業のカルチャー・働く人の考え方などに共感して応募することになります。
つまり、求職者は企業の価値観などを深く理解した上で選考を受けられるため、入社後のミスマッチ減少につながります。
ビジネスモデル
Wantedly Visit(個人向け)の収益源は、プレミアム会員からの収益です。
求職者の料金は基本的に無料ですが、月額2,980円のプレミアム会員になると企業からのスカウト率がアップします(フリーミアム型)。
フリーミアム型:基本的なサービスを無料で提供し、そのうちの一部の人が有料化することで収益を上げるビジネスモデル。
②Wantedly People|個人向け
「Wantedly People」は、名刺を簡単に管理できる個人向けアプリで、名刺とSNSの情報の紐づけにより、情報収集や人脈の形成をより効果的にするツールです。
基本的に無料で利用でき、自分のWantedlyプロフィール欄に複数の名刺を登録可能など、他の名刺管理サービスにはない独自の機能を備えています。
ビジネスモデル
すべての機能が無料で利用できるため、収益はありません。そして、2022年8月期の決算資料によると、Wantedly Peopleは今後も収益化を優先せず、プロフィールでの価値提供を重視する姿勢です。
③Wantedly Visit【採用】|法人向け
先ほど紹介した「Wantedly Visit」に、求人を掲載できる法人向けサービスです。
求人掲載企業目線からの、一般的な採用媒体(リクナビなど)との違いはいくつかありますが、代表的なものを2つ紹介します。
1.予算が少ない企業にもチャンスあり
2.「共感採用」により入社後のミスマッチ減
まず1点目について、Wantedly Visitは規模や知名度に関係なく、運用(社員インタビューの投稿など)を頑張れば、採用に予算をかけられない中小企業などにもチャンスがあります。
他の求人媒体だと、広告料を多く支払った企業は求職者の目につきやすい位置に求人が掲載される場合が多いですが、Wantedly Visitは各企業に公平にチャンスを与えているといえます。
次に2点目について、Wantedly Visitでは給与・待遇条件の記載が禁止されているため、求職者は自社のカルチャー・社員などに共感して応募してくれます。
つまり、企業の外見ではなく中身をきちんと見たうえで入社に至るため、採用のミスマッチを減らせるのです。
ビジネスモデル
上図の左側:採用を見ていただくとわかるように、Wantedly Visit(法人向け)の収益源は求人掲載企業が支払う有料プラン(ストック型)と、広告・コンテンツ制作などのオプション料金(フロー型)からなります。
ストック型:サービスを月額で課金することにより、毎月一定の収入が継続的に入る仕組みのこと。
フロー型:サービス料金を一度に請求することで、単発的に収益を上げるビジネスモデルのこと。小売店やコンビニ・飲食店が代表的な例。
④Engagement Suite|法人向け
「Engagement Suite」は、従業員の定着・活躍をサポートするサービスです。
そして、Engagement Suiteは以下3つのプロダクトで構成されています。
プロダクト1.オンライン社内報「Story」
プロダクト2.チームマネジメント「Pulse」
プロダクト3.福利厚生「Perk」
1つ目のオンライン社内報「Story」は、会社のメンバーのみ閲覧可能なWebサイトを作成し、社内報を投稿できるサービスです。
次にチームマネジメント「Pulse」は、マネージャーによるメンバーの現状把握・改善をサポートすることで、チームの信頼関係をアップさせるサービスです。
最後に福利厚生「Perk」は、Wantedlyを有料プランで契約中の企業を対象に、Wantedly株式会社が提携しているさまざまなサービスをお得に利用できるものです。
ビジネスモデル
Engagement Suiteのビジネスモデルは、ストック型と従量課金型を組み合わせたものです(上図の右側:エンゲージメント参照)
従量課金型:サービスの利用量・利用人数に応じて請求料金が変化する課金方式のこと。
まずストック型ですが、Engagement SuiteはWantedly Visitの有料プラン契約企業のみ利用できるため、求人掲載企業が毎月支払う有料プランがベースの収益源です。
次に従量課金型について、先ほど紹介したEngagement Suiteの各プロダクトはすべて600円/人で利用可能ですが、無料枠を超過したら課金する必要があります。(※無料枠はWantedly Visitの加入プランにより異なる)
Wantedlyの先進的な取り組み3つ紹介
Wantedlyでは「オーナーシップ」という言葉がよく使われますが、これは「会社の大きな目標を理解した上で、各自が自分の頭で考え主体的に仕事を進める」風土を指します。
そして、お互いをよく理解し合い、本気で働くことを重視するWantedlyは、社員同士のコミュニケーションの機会を積極的に設けています。
そこで、「オーナーシップ」と「コミュニケーション」に関する先進的な取り組みを3つ紹介します。
先進的な取り組み①Culture Lunch
「Culture Lunch」は、CEOの仲暁子氏とランダムに選ばれた少人数の社員がランチしながら経営理念・事業戦略を共有する場です。
この制度の目的は、社員が増加する状況下でも、「オーナーシップ」を常に発揮して仕事に取り組んでもらうためです。
「社長と話したのは最終面接か入社当初のオリエンテーションのみ」という方も多いのではないでしょうか。
社員よりも遥かに広い視野をもっている社長の考えを知ることは、仕事のモチベーションアップの良い機会になるでしょう。
先進的な取り組み②Demo Day
「Demo Day」は、週に1度エンジニアが試作したプロダクトを全体に発表したり、デザイナーが新しいUIデザインを発表したりする場で、入社年次関係・職種関係なく誰でも発表できます。
普段は関わることの少ない他チームの成果を知り、自分の仕事・チームに生かせる点がメリットです。
先進的な取り組み③新卒Culture Lunch/中途Onboarding Lunch
新卒と中途入社半年以内のメンバーを対象として、定期的に行われるランチです。すべての役員と順番に話し、チームの枠を超えて会社全体への理解を深められる貴重な機会です。
【書籍】リクルートメント・マーケティング 採用活動をマーケティングでハックせよ
ここまでWantedlyの基本的な情報を紹介しましたが、Wantedlyの事業内容である「リクルートメント・マーケティング」についてより深く知りたい方は以下で紹介する書籍もぜひ読んでおきましょう。
Wantedlyのリクルートメント・マーケティングエヴァンジェリストである小池弾氏が執筆し、同じくWantedlyの編集者である加勢犬氏が編集した書籍です。
近年注目を集めているマーケティング視点の採用活動「リクルートメント・マーケティング」について、基礎知識から具体的な実践方法まで解説されています。wantedlyに興味がある方や採用選考を受ける方に特におすすめの一冊です。
- 出版社:翔泳社
- 発売日:2020/3/25
- 著者:小池弾/加勢犬
まとめ
今回は、Wantedlyの基本的な情報を解説しました。
企業の面接を突破するためには、事前の情報収集が不可欠です。そのため、本記事の情報だけでなく、先ほど紹介したWantedly社員執筆の書籍も読むことをおすすめします。
1.カジュアルに企業の話を聞ける
2.ミスマッチの少ない「共感採用」